教授あいさつ

ともに夢を追いながら
患者さんに最良の医療を提供できる
内科医師に
教授 片岡 洋望
Hiromi Kataoka
名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学分野の教授を務めております片岡洋望です。
私たちの教室は、消化器疾患と代謝・内分泌疾患を中心に、日々の診療・教育・研究に取り組んでいる内科学教室です。現在、教室には約50名のスタッフと大学院生が在籍しており、関連病院にも約200名の医師がそれぞれの専門分野で活躍しています。定期的な検討会や研究会を通じて、診療の質を高めるとともに、互いに学び合い、切磋琢磨しています。
教室は、消化管、胆膵、肝臓、内分泌糖尿病の4つのグループからなり、自由でオープンな雰囲気のなか、それぞれが自分の専門分野を中心に情熱をもって取り組んでいます。
現在、日本は超高齢社会に突入し、「生涯に2人に1人ががんに罹患する」と言われる時代を迎えています。2023年のがん統計でも、死亡原因の上位(2位から5位)を消化器がんが占めており、早期発見や新しい治療法の開発が急務です。私たちの教室では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)をはじめとする低侵襲治療や、光線力学療法(PDT)といった特色ある治療技術にも力を入れています。また、分子標的治療薬を用いた化学療法、化学放射線療法、免疫チェックポイント阻害剤によるがん免疫療法などを駆使した最先端のがん治療も積極的に行っており、外科・放射線科・病理・化学療法部門との密な連携を通じて、患者さんに最良の医療を届けています。さらに、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、自己免疫性膵炎などのIgG4関連疾患、ウイルス性肝炎や肝がんなど、専門性の高い疾患にも精力的に取り組んでいます。代謝・内分泌領域では、糖尿病、甲状腺疾患、下垂体・副腎疾患など幅広く診療しており、「肥満」をテーマにした研究や、外科的アプローチも視野に入れた肥満センターでの先進的な医療も展開しています。
こうした診療・研究を支えるために、私たちは基礎研究から臨床研究、トランスレーショナルリサーチまで幅広く取り組み、その成果は国内外の学会や英文学術誌に積極的に発表しています。文部科学省科学研究費やAMEDの研究費をはじめ、産学連携研究や医工連携など他分野との共同研究にも力を入れています。
また、国際性も私たちの強みです。現在の教室スタッフのうち12名が海外留学経験を持ち、グローバルな視野での診療と研究を展開しています。
私たちが最も誇りに思うのは、情熱にあふれ、高い専門性と人間性を兼ね備えたスタッフ、そしてそれを支える充実した関連病院の存在です。
医療の世界に踏み出す皆さんへ――
「人の役に立ちたい」という思いを胸に、最先端の医療に触れながら、自らの可能性を広げてみませんか?
私たちは、初期研修医、専攻医、大学院生、あるいは将来のスタッフとして、あなたがこの教室の一員として仲間入りし、夢に向かって共に歩む日を心から楽しみにしています。
医療者としての技術を高めたい方、研究に挑戦したい方、国際的に活躍したい方――どんな未来も、ここから始まります。
どうぞ、私たちの教室の扉を叩いてください。
あなたの第一歩を、私たちは全力で応援します。
2025年4月吉日
略歴
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1989年
名古屋市立大学医学部卒業
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1989年
名古屋市立大学病院 研修医(第一内科)
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1990年
名古屋市立緑市民病院内科 医員
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2000年
名古屋市立大学大学院医学研究科修了、博士(医学)
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2001年
University of Calgary留学 (Postdoctoral Fellow)
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2005年
名古屋市立大学大学院 臨床機能内科学 医局長(2年間)
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2009年
名古屋市立大学大学院内視鏡部 准教授
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2018年
名古屋市立大学大学院消化器・代謝内科学 主任教授
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2021年
名古屋市立大学大学院医学研究科
副研究科長
名古屋市立大学 学長補佐(〜2022年3月、2023年4月〜2025年3月)
名古屋市立大学病院がん医療支援部 部長
(兼任)
名古屋市立大学病院食道疾患 センター長
(兼任) -
2025年
名古屋市立大学大学院医学研究科 医学研究科長・医学部長
学会活動、社会貢献 等
- 日本消化管学会: 副理事長、ガイドライン委員会委員長、総務委員会委員、研究助成委員会委員、学会主導研究委員会委員、胃腸科専門医、指導医
- 日本消化器病学: 財団評議員、学術研究助成支援検討委員会委員、ネットワーク委員会委員、専門医制度審議委員会委員、東海支部幹事、専門医、指導医
- 日本消化器内視鏡学会: 社団評議員、学会賞選考小委員会委員、東海支部幹事、専門医、指導医
- 日本レーザー医学会: 理事、規約委員会委員長、選奨委員会委員
- 日本癌学会: 評議員
- 日本内科学会: 評議員、東海支部専門医制度審議会委員、総合内科専門医、指導医
- 日本潰瘍学会: 理事
- 日本光線力学学会: 理事
- 日本消化器癌発生学会: 評議員
- 日本カプセル内視鏡学会:代議員
- 日本高齢消化器病学会:評議員
- 日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本食道学会
- 日本がん治療認定医機構:がん治療認定医
- American College of Gastroenterology: Member
- International Society of Gastroenterological Carcinogenesis: Member
- 東海胃腸疾患研究会: 代表世話人
- 東海食道疾患研究会: 代表幹事
- サイトプロテクション研究会: 世話人
- 消化器疾患病態治療研究会:世話人
- 愛知県・名古屋市 指定難病審査委員
受賞 大型研究費 等
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2023年~24年
AMED 橋渡し研究シーズA(代表)
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2018-19年
AMED 産学連携医療イノベーション創出プログラム(代表)
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2015-16年
AMED革新的医療技術創出拠点プロジェクト橋渡し研究シーズB(代表)
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2011年
日本消化器内視鏡学会 学会賞
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2002、2003年
Alberta Heritage Foundation for Medical Research Fellowship Award
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2002年
Alberta Cancer Board Award, Canada
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2001年
名古屋市立大学医学会賞